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2017/10
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引っ越しました。
引っ越しました。

都立の広大な公園のすぐそばで、犬飼いには願ってもいない環境です。

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すぐそばといっても徒歩4~5分はあるのですが、それでもちょっと湿気の多い夕方などは、公園方面からの風が木々の香りをはらんでいて、濃い森の気配を感じます。

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コチ丸も毎日はりきってあちこち探検しています。

鼻に草ついてるよ。

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木が多いからか朝夕はすっきり涼しく快適、溢れる緑に眼を休め、鳥たちの声を聞きながら、荷解きからの現実逃避散歩を楽しんでおります。

このあたりはいわゆる下町で、良い意味で生活の匂いというか人との距離が近めで、そこも心がなごむ点のひとつです。

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昨日の夕昏の頃、道ですれちがったおばあさんが、お孫さんのバギーを押しながら童謡を歌っていました。

からす なぜ鳴くの

からすは山にかわいい七つの子があるからよ

かわいい かわいい とからすは鳴くの

かわいい かわいい と鳴くんだよ

山の古巣へ行ってみてごらん

丸い眼をしたいい子だよ

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野口雨情作詞、七つの子ですね。

なんだかものすごく久しぶりに耳にしたその歌は、あたりの景色や空気も手伝ったのでしょう、まっすぐ頭に入ってきました。

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いい歌だなあ。

なにかと嫌われがちなカラスを、ひいてはたぶん、この世の中すべてを、なんて優しいまなざしで見ているのでしょう。

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昔はカラスが嫌いでした。毎朝家のまん前の電線にいて、私が出て行くと飛んできて頭すれすれをかすめて行くので、怖くて走って逃げていました。

でもある時からふと大丈夫になったのです。

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数年前、カラスだらけの代々木公園に隣接した会社に勤めていた時のことです。

ある日会社の玄関を出ると、たぶんまだ若いであろうカラスが一羽、正面の地面に立っていました。

そして私を見ると、ぴょん、ぴょん、とそばにやって来て、こちらの顔を見上げ、丸い眼で小首をかしげました。

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その表情はとても愛らしくて、まるでこう言っているみたいでした。

「遊ぼう?」

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それ以来、カラスが怖くなくなりました。

そんなことを思い出した夕方でした。

今度の家のまわりもやっぱりカラス多いです。

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我が家の犬猫たち、引越前後はやや戸惑っていましたが、ようやく落ち着いてきたようで、それぞれ家の中のお気に入り定位置なども決めてくつろぎはじめました。

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古い建物ですが、私はそのクラシックな味が気に入っています。

そして日当たりと風通しがいい!

これは私にとって何にも勝る条件なのでうれしい。

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早く片付けて、このリビングで丁寧に紅茶を淹れて、ゆっくり読書を楽しむんだ!

というのはまあ、きっとまだ当分「夢」のままなんだろうなあ。

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ケンの葬儀から早くも3週間。頭ではわかっていても体感ではいまだに不在を受け入れ切れず。

たいていの猫には一方通行の片思いだけど、ケンとは互いに向き合っている手応えを強く感じていたので、気持ちに区切りをつけるのにはもうしばらくかかりそうです。

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でも区切りをつける日が来るのも、なんだか存在が遠くなってしまうようでまた淋しかったり。

どうしても動物達みたいに潔くできないんだよな。

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旅立ちの翌日から、周り中の花々が一気に咲き始めました。

昨年の1月に危ない状態になった時はがんばって持ち直してくれて、春には元気に暮らしていましたが、次の桜の季節は一緒に迎えられない予感がありました。

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なので4月のある日、病院帰りに近所の公園に立ち寄って、少しの間ベンチで一緒にお花見をしました(ケンは猫にはめずらしく移動を楽しめる子でした)。

今年ももしかしたら?と思ったけど、ギリギリで間に合わなかったなあ。

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そういえば先日ふと手にとった本の中に、獣医さんが書いたこんな一言がありました。

「(あなたが)選んだ医療とくだした決断は全部正しい。」

あの時はあれで良かったのかと思うところは、やはりどうしてもあって、いつも考えていたから、なんだかとても救われた気持になりました。

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さて、話は変わりますが、私はこれにて預かり・譲渡ボランティアを休業します。

もともと余剰な力など無いくせに強引にひねり出し、身の丈を無視して気力だけでやってきたので、寿命が短いのは最初から明白でした。

でもたとえ少しだけでも、やらないよりやる方がずっといいよな。

じゃあまあ底を突くまではやろうと。

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そしてほぼ予想通りの時期でいろんな物が底を突き、これ以上先には進めなくなりました。

かねてより目安にしていた年齢も越したし。

このブログは閉鎖せずに時々書きたいですが、本来保護活動のためのブログなので、それ以外のことを書くのもどうなのかな? と考え中です。

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今後はまずは良き飼い主になれるよう努めます。

ずっと、一飼い主としてはまったくもって失格だったから。

ケンと同じ病気の長女、はると暮らせる時間もそんなには長くないだろうし。

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私の去就などわざわざ書くこともないのですが、このブログを訪れてくださる方は思ったより少し多くなっているようで、そこをぱたっと消えるのはやはり非礼かと思うのでお知らせしました。

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しんどかったな。険しい道だった。

でも、やれて幸せでした。

本当に心底。

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復帰は未定ですが、その際は少し違う形になると思います。

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それと、ピーステイルズ保護犬、グレートデンのデンバーについてお願いがあります。

かねてより異常のあった後脚の手術後、細菌感染発症で再手術。

現在は要安静、24時間体制で付き添いながら治療をがんばっています。

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感染をくい止められるか、今後歩行への影響がどうなるかは、まだなんとも言えない状態だそうです。(最悪の場合、菌が全身に回ってしまう可能性も)

そのうえ今後まだ複数回の手術が必要で、さらなる多額の治療費が見込まれます。

脚に障害を持つ超大型犬、たいていの人は引き取りを躊躇するでしょう。

でも保護する決断をしたピーステイルズに敬意を表します。

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今のデンバーは室内からお外の様子を眺めるのが楽しみなのだそうです。

どうか再び広い明るい屋外で元気にお散歩できる日が来ますように。

ご支援を募っています。
もしよかったらこちらをご覧ください。→ こちら

4月23日(日)には譲渡会もあります。→ こちら


ガーベラ、スイトピー、ラナンキュラス
ケンは市内のお寺でお骨にしていただきました。

結婚式場みたいに広々としてきらびやかなセレモニーホールで詩とかを読むのは、なんだか我が家らしくない。

地味でも昔からあるお寺で、お経をあげてもらって静かにお別れしようと思いました。

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先代の住職さんが動物好きで、ペットも人間と同じように送ってあげたいとの想いから敷地内にペットの火葬場を作られたのだそうです。

景色の良い高台にあるお寺で、温かく対応してくださいました。

前日までの晴天続きとは一転してその日は雨。でも空が白っぽく明るい、春の優しい雨でした。

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お棺がちょっと小さくて頭がぴったり過ぎたね。

ごめん、ケン。でもなんだかにっこりしてくれているように見えるな。

これからの旅のためにお弁当を入れて、花をたくさん。

ガーベラ、スイトピー、ラナンキュラス・・・

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ケンは我が家にいた期間の大方は普通に暮らしていましたが、食欲だけは無く、ほとんどは漉したウエットフードをシリンジで食べさせて栄養を補っていました。

ただ、「すごいねえ。えらいねえ。」と応援すると、カリカリも少しだけ食べました。

ケン専用のキッチンカウンターの上で、一口食べては私を見上げ、褒め言葉を要求しながら。

でも後から気付きました。ケンは褒められたいわけじゃなく、きっと私が喜んでいる顔を確かめたかったんだね。

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ケンはもちろんかわいい猫だったけど、その一方で、伝わってくる気配が私達より年上の感じでもありました。

包んであげているつもりが、包まれてたんだなあと改めて思います。

たぶん治療もそうだったんだろうな。

ケンは自然のままでよかったのでしょうけど、きっと父ちゃんと母ちゃんのために、危ないところを何度も復活して、もしかしたら本来の寿命をも超えてがんばってくれたのかもしれない。

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最後の5日ほどはもう給餌はやめたけど、それでも亡くなる前日にびっくりするほど大きなウンチをして、当日の午前中に自力でお水を飲んで、旅立まぎわによろけながらもおしっこに立ちました。

意識がもうはっきりしておらず、トイレと間違えてベッドに入ってしちゃったのですが、ケンにとってはちゃんとトイレの中でトイレ座りで。

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自分できちんと体内をきれいにして、そして最期の苦しみを勇敢に乗り越えて出発して行きました。

後はどこもきれいなまま。

拭いてあげる場所もまったく残さずに。

立派だったね。

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私の仕事はめったにない3連休の後、さらに亡くなる当日は、前例の無い臨時休業、翌日のお葬式も夫は休み、私の仕事はその日は元々14時まで。

日常は二人とも仕事や他の用事がギュウギュウで余裕の無い毎日ですが、その数日間はケンだけに集中してゆっくりそばにいることができました。何もやりくりしなかったのに。

私達が悩まないように、出発の日もちゃんと選んでくれたような気すらしてしまいます。

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仏教によると極楽への出発は初七日、その後の四十九日間の旅はけっこう大変なのだそうです。

応援してあげてくださいと言われました。

出発は明日の日曜日。

それまではこうして母ちゃんがブログを書いてる横で、今までみたいにゆっくり休んでなね。

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いとしのケンケン 後編
ケンを拾った当日、「今日の検査と処置は全部タダにするからこの子、絶対に飼え。」と言ってくれた獣医さんとよく話をして、入院はさせずに自宅で看取ることを決めました。

その日はとても暖かかったので、帰宅後少しの間だけベランダに出て、車でのひなたぼっこの時みたいに2人きりで過ごしました。

そして幸い私はその後の4日間、コチ丸の散歩以外はどこにも出かけることなく、ずっとそばにいることができました。

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本当は4日目は出勤でした。

でもその前日、「明日はどうにかして休めないかな」と思っていたら会社から突如「営業所のシステムが故障して仕事にならないから明日は臨時休業」と知らせが入ったのです。

大きな企業ですから管理もしっかりしているし、臨時休業とか、通常ではまずありえない事象。

そして不定休の夫もたまたま休み。

「あ、きっと出発は明日なんだな。」と感じました。

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予感はその通りになって、翌日の暖かに晴れた春分の日、家族全員が揃った午後のリビングからケンは旅立ちました。

それまでの4日間ずっと春の陽気が続いたので、午後は毎日、リビングにベッドを並べてみんなでひなたぼっこをしました。

ケンにはおそらくもう日差しは負担だったかもしれないけど、ひなたぼっこが本当に大好きなので少しずつだけ。

3月17日、引っ越し当初と同じ、オリジナルメンバーで。

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3月18日、現在のフルメンバーに囲まれて。

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3月19日、亡くなる前日。

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一緒に暮らした期間は短かかったけれど、本当に個性あふれる面白い子で、一匹で数匹分ぐらいの存在感を放っていました。

物怖じせず、気負わず、悠々とマイペースで。

預かりっ子に近づくのもいつも一番。

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グリムを布団代わりに使い、

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2号と3号には逆をされ・・・

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あ~あ。

逝く時は「せーの!」でみんな一緒にだったらいいのに。 

寂しいよ。ケン。

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でももう一つ背中合わせの気持もあります。これはランコントレミグノンの友森さんの印象的な言葉。

「介護‥‥あれはもう、ご馳走としか言いようがないです。

あんなに自分が時間もお金も情熱も使い、気持ちを集中させて引っ張られることは、よく考えたらほかにないんです。

そこが究極の、私にとっての、贅沢なのかなと思います。

看取るときの別れがつらいけど、その前までの試行錯誤や、一緒に過ごす時間って‥‥ね。」

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今、それがとってもわかる。胸がちぎれそうに悲しい一方で、確かに至福の毎日でもありました。

でも私がずっと傍らに付きっきりで、じっと見つめちゃあ泣いてしつこく撫でたりしてたら、ケンはきっとゆっくり休めないので、ギリギリの時まではガマンしていつも通りに過ごしました。とっても難しかったけど。

最期に苦しむことはやはり避けられなかったけど、それもケンは残った力を振り絞って勇敢に乗り越え、旅立って行きました。

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長い間の闘病、何回も危ない時があったけど、本当に本当によくがんばったね。 

ケンケン、あの日、私の通り道で待っててくれてありがとう。

一緒に暮らせて、母ちゃん最高に幸せでした。

ずっとうちの子。父ちゃんと母ちゃんの自慢の子。

今までも、これからもずっと。

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いとしのケンケン 前編
今の前に住んでいた部屋のキッチンには、道具をあれこれ置くスペースが無くて、使い勝手がとても悪かったのです。

今の部屋も安普請ですが、面積はまだマシになったので、MUJIの棚を利用してカウンターを作ってみました。

お粗末ながら、あこがれの広い調理スペース。

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でも、いつからだったか、私がキッチンに立っている間はケンがその上に陣取るようになりました。

そこで昼寝したり、グルーミングしたり、そうでない時は私をじっと見つめる。

まるで、眼に焼き付けようとしてるみたいに。

ずっと覚えていようとしているみたいに。

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そして時おり私のひじの辺りをチョイチョイとして振り向かせると、伸び上がって鼻チュー(というよりケンの場合は鼻ギューギュー)してきます。

結局そこはケン専用の場所として定着し、私の調理スペースは夢と消えたのでした。

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ケンとの出会いは、以前にもこの記事この記事で何度か書きましたが、3年3ヶ月前の雪の日。

敷地内にいる猫をわざわざ246(トラックびゅんびゅんの殺伐とした広い街道)に面した歩道に追い出すビジネスホテルの玄関脇でした。

屋根もなく、雪まじりびしょびしょの地面に横たわっていましたが、私を見ると挨拶しに来ました。

そしてしばらく交流すると、また元の位置に戻って横たわったのです。

「ここしかいる所ないし、もう歩くの疲れたし」みたいに。

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なんて言ったらいいんだろう、覚悟みたいなもの? 

じたばたしないで淡々と現実を受け入れる、その潔くて気高い心意気に胸をぎゅっとつかまれました。

なので私の方もその場で覚悟を決めて、痩せてドロドロに汚れた身体を抱き上げました。

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直行した病院での検査で、重症の猫風邪かつ薄く白血病陽性が出てしまったため、まず当面は隔離しなくてはなりませんでしたが、うちには余分な部屋なんて無し。

廊下に脱走防止柵が設置してあるので、そこから玄関までの1畳ちょっとほどの狭いスペースに急遽ケンの部屋を作りました。

柵にはシートを張り、棚を置いて下の段にベッド、上にハンモックを吊るし、トイレとご飯とパネルヒーターも設置しました。

風邪の完治と1カ月後の白血病再検査まではこれしか道がありませんでした。

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もしかして白血病ウィルスが体内に入ったとしても、抵抗力があれば流れて陰性になったりするんじゃ!?!?

でもこんな所じゃストレスがなあ。

いや、でもでも!とにかくできることを全部やったろうじゃねえか。

ケンはそれでもこの狭い部屋でけっこう機嫌よく暮らしてくれました。

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ただ、淋しがりやなのか、あるいはまた捨てられることが不安だったのか、人の顔を見たら膝によじ登ってきます。

なので毎日帰宅後は夫と交代で数時間ずつケン部屋に出張し、膝に乗せて過ごしました。

泊まれるスペースなど無かったので、ずっとはいてやれなくて胸がいつも痛かった。

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境界の隙間からそっと覗くと、いつもこちら向きでお座りして、人の顔の位置らへんの高さを見上げてたんですよね。

それで私の方がガマンできなくてもう一回行っちゃったり。そのたび服とスリッパを替えて、廊下中を消毒して。

ケン部屋は日光が全く当らなかったので、せめて休みの日だけは日当たりの良い駐車場で車の後部を開放して、そこに飲み物やおやつも持ち込んで、ケンはリードをつけて毛布等で暖かくてして、ひなたぼっこを一緒に楽しみました。

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でももしケンが完全に陽性だったら、やはりちゃんと日の当たる個室を用意してやりたくて、引越することを決めました。

そういえばケンの名前は渡辺謙さんからとったものです。

カルテに名前が必要だったのでとっさに思いつきました。

白血病から見事に復活し、それまでよりはるかに輝いていらっしゃることにあやかる気満々で。

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引越前のある朝、出勤しようとしていたところに、白血病の再検査は陰性だったとの知らせがありました。

同じ空間でみんな一緒に暮らせるんだ!

先住猫たちとは既に互いの存在は十分に感じ合っていましたし、ケンがとにかくまるで物おじしない、気にしない、イライラしない子なので、ほぼすんなり入り込めました。

引越直後のリビングでみんなとひなたぼっこをしているケンの満足げな顔。携帯なので画像が良くないんだけど、でも大好きな写真です。

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その後、ケンは我が家での生活の大半を持病の腎不全と闘病していくことになります。

腎不全は治療で進行を遅くすることはできても治すことはできません。

ずっと一緒にベストを尽くしてきたけれど、やはり少しずつ進行していき、やがてその限界がやってきました。

後編に続きます。


プロフィール

lohamakegu

Author:lohamakegu
犬猫の預かりと里親探しボランティアをしています。

現在募集中の子:今はいません。

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