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2017/02
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さくらの里 山科さん - 高齢者と伴侶動物の光と影(後編)
高齢者と伴侶動物の光と影、昨日の影に続き、本日は光についてです。

PURUSUNちゃんと一緒に横須賀の老人ホーム「さくらの里 山科」さんの見学に行って来ました。

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なぜ老人ホームか。ご存知の方も多いと思いますが、こちらは犬猫と同居できる老人ホームなのです。このブログに時折遊びに来てくださるYopiさんが教えてくださいました。

4階建て横長~~!のビル。2階~4階が居住空間です。入居者の方々はそれぞれ個室を持ち、その個室10室で1つのユニットが成り立っています。

ユニットごとに広いリビングダイニングとトイレ・浴室があり、専属のスタッフさん達がいらっしゃいます。1フロアに4つのユニットが位置しており、それぞれのユニットが1つの家(家族)のような形をとっています。

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そして2階は動物ユニットのフロアです。エレベーターを降りると、まずこのしっかりしたゲート。犬ユニットが2つ、猫ユニットが2つ。それぞれのユニットに4頭前後の犬と猫が同居しています。

犬猫たちはユニット内でフリーにされていて、リビングダイニング、廊下、入居者の個室も出入り自由です。

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犬猫たちは主にボランティア団体ちばわんさんを介してやって来る保護動物です。また、一人暮らしの高齢者が亡くなった場合などに残された子を受け入れることもあります。

さらに入居者が自分の子を同伴することもできるのです。その入居者の方が亡くなったとしても、その後もホームでほかの入居者さんにかわいがられて終生暮らすことができます。

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犬猫たちはもちろん医療行為を施されて清潔に保たれ、犬は毎日散歩に連れて行ってもらい、ドッグランもあります。

そこでちばわんさんが一般の方向けに譲渡会なども行っています。猫のためにはおもちゃやキャットタワーなどがあちこちに設置されています。

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ユニット内はお部屋も廊下も広々と清潔で、動物に関連する匂いなどもまったくありません。床材は滑りにくいもの(高齢者と動物が暮らし易い設備は意外と似ているんですよ。とのこと)。

あちこちに新鮮な水が置かれ、犬猫たちは満ち足りた表情で暮らしています。

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入居者と犬猫の両方のお世話をするので、スタッフさんたちのご負担はやはり若干大きくはなりますが、他のフロアよりも増員されていますし、ボランティアさんの協力もあります。

そして元々犬猫が好きで、このシステムの考え方に賛同し、あえて犬猫ユニットでの勤務を熱心に希望した方々が配属されているそうです。

スタッフさんたちの様子や、各ユニットの雰囲気が生き生きと明るく穏やかであることからもそれが伝わってきました。

スタッフのための託児所も配備されています。ホーム全体でのイベントも盛んで、この日は流し素麺大会が開催中でしたよ♪

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私のブログはあくまで個人の小さなもので、影響力も大して無いため、最初は「ちょっとだけ見学させてくれないかな。」とダメもとでお願いしてみました。

ところが、理事長の若山さん直々に丁寧な心のこもったお返事をくださり、当日もお話を伺うことができました。館内のご案内までしていただき、感謝に堪えません。

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私の勉強不足で稚拙な質問にもひとつひとつ誠実にご回答くださいました。回答の中で何度か出てきた「その時にケースバイケースで一番良い方法を見つける」という言葉がとても印象に残りました。

規則にこだわったり、前例が無いとか言って融通の利かないお役所仕事とは違う、その柔軟で前向きな姿勢に感銘を受けました。

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若山さんが動物たちと暮らせるシステムを導入されたきっかけのひとつにこんな出来事がありました。

ひとりのおじいさんが犬と暮らしていたのですが、身体が衰えてホームへの入居を余儀なくされました。犬をとてもかわいがっていて、家族として暮らしていたので、当然強く抵抗しました。

でもケースワーカーの説得についに折れて入居することになり、犬は保健所に連れて行かれました。おじいさんは大きく気落ちされ、それに伴うように体調も悪化し、後悔の中で亡くなりました。

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私達動物ボランティアは何かあるとついつい動物愛護側から物を見てしまうのですが、このホームの考え方はもっと広いものでした。

若山さんご自身も3頭の犬とお暮らしですし、動物の保護にはもちろん力を入れたい。ただ、老人ホームですから中心にあるのはもちろん老人福祉。

「人が歳をとってホームに入ることになっても、できる限り今までと同じ生活をして、毎日を楽しんで過ごして欲しい。」

この身上をベースに、動物を愛する人は動物と暮らし続ける、旅行が好きな人にはツアーを組む、ショッピング好きな人は買い物に行く日を設けたり外商を呼ぶなど、細やかなサポートを提供されています。

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動物ユニットを始めて良かったと思うエピソードは何ですか?との質問に対してのお答えのひとつをご紹介します。

やはり一人暮らしのおじいさんのお話です。身体に不調があり、独居は限界であり、緊急を要す状態です。市のケースワーカーが通って説得を続けていましたが、どうしても了承してくれません。

同居しているダルメシアンがやはり病気で、どうしても置いて行きたくないというのです。

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そこでケースワーカーが、さくらの里 山科さんのシステムを見つけ、ようやく入居に至りました。もちろんダルメシアンも一緒です。しばらくすると、ダルメシアンは病気が悪化し、危ない状態になりました。

おじいさんはその子の傍らで時間を過ごし、毎晩一緒に眠ることができました。最期の時間を大切に共に過ごして、数日後に犬は亡くなりました。

そしてその後しばらくしておじいさんも亡くなりました。でもおじいさんは自分の大切な家族をきちんと看取れたことで悔いが無く、幸せに安らかに息を引き取られたそうです。

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動物の家族をお持ちの方は同じ不安がいつも胸にあるかと思います。こんなホームがもっと増えてほしい!と思うでしょ?

実際、この「さくらの里 山科」さんは今までもたくさんのメディアに取り上げられています。でも、福祉業界内からの反応は驚くほど薄いそうです。

それはやはり、人手不足=予算不足などによるものが大きいと思われます。たどっていけば行政の力不足、というよりそもそも力を入れているのか???

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ほとんどの人は毎日を一生懸命生きていると思います。晩年こそご褒美があってもいいはず。それなのに歳をとるほど人生がつらくなっていく日本の現状はおかしいですよね。

老人が無責任に動物を置き去りにすることを責めるのは簡単です。でもそうなってしまうのは社会的な原因も大きい。

ずっとがんばってきたみんなの人生の最後には孤独ではなく安らぎがあってほしいものです。 そしてそんな社会に少しずつでも変えていくには私達ひとりひとりが、願うだけでなく、行動しなくてはならないと思いました。

若山さんをはじめとしてスタッフの皆さん、取材へのあたたかなご協力をどうもありがとうございました。

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(非公開コメント受付中)

あらためていろいろと考えました。自分のこと動物の家族のこと、人間の家族のこと…。さくらの里さんのような老人福祉施設が増えると希望がもてるなぁと心から思います。
No title
yopiさん、良い所を教えてくださってありがとうございました。
入居者中1割は市民以外でも入れるそうですが、狭き門ですね。
こんな所がもっと増えると佳いですね(*^^*)
プロフィール

lohamakegu

Author:lohamakegu
犬猫の預かりと里親探しボランティアをしています。

現在募集中の子: サン太

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