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2019/01
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犬が決める 2/3

その子は表情にまだあどけなさを残しており、遊び好きで友達が欲しそうな様子でした。

その反面とても慎重で用心深くて、一定の距離以上は近寄らせてくれないところは変わりません。

触れるならリードをつけて「保護」ができます。

でも触れない子はなんらかの方法を使って「捕獲」になる。

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そこは公共の場所で、許可なく生き物を捕獲してはいけないという条例がありました。

いかなる事情においても例外はなく、何度も交渉やお願いをしましたがまるで聞き入れていただけませんでした。

そこに居ついていて、毎日同じ時間に来る。

見ている前でご飯を食べるし、一定の距離までなら寄れる。

なのに手を出してはいけない。

唯一その場所で捕獲ができる愛護センターは1度来てくれましたが、短時間で引き上げ、次回来るのは半月以上先になるとのこと。

その頻度では成功は難しい。

触れるようになるまで1年でも2年でも待つしかないのかなあ。

それまで君は無事でいてくれるのか。

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人の心配をよそに、犬はのんきにご飯を食べて私に遊びをしかけ、小川の水を飲んだり、ザブザブ入って向こう岸にいる犬のところへ遊びの誘いに行ったりして、屋外暮らしを彼なりに楽しんでいました。

猫とならんでお座りしてご飯を待っていたりもしてかわいかったなあ。

姿が見えなくても呼ぶと出てくるようにまでなったし、空気を読まずにちょっとまずい気配を出している犬に近寄って行った時に「やめなさい。おいで!」と呼んだらちゃんと振り返って戻ってきてびっくりしたこともあったっけ。

姿を見せるのは夜~早朝にかけてで、明るい時間には誰も見たことがありません。

相変わらず関心を持ってくれる人はおらず、途方にくれた私はある日KDPの菊池さんに相談してみました。

菊池さんは超多忙な方なので、助けていただこうとは思っていませんでした。

お守りとしてアドバイスの一言ももらえたら本当に心強いなぐらいのつもりでした。

ところが。

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菊池さんとそのパートナーのカヨコさんは、その翌日にはもう現地にいらっしゃいました。その後も何度も。

徐々に関心を持つ人も増え始めましたが、口々に「心配でたまらない」「早く誰か助けてあげてくれたら」と言い合うだけで、手を貸してくれた人はいませんでした。

逆に飼い主と誤解されてノーリードを批難されたり、犬に対する苦情を私に訴えてきたり、協力すると言ってくれたものの初回から待ち合わせをすっぽかされたり、ただの危ない変な人あつかいされたり、そんなことはちょくちょくありました。

孤独で、でもある意味それに慣れてもいたので、遠くから本当に来てくれた菊池さん達が神様に見えました。

いや、正確に言うと、私にとって元々神様みたいな存在だったので、「本物が降りてきた!」という感じ。

犬の保護に於いても捕獲に於いても、とてつもないご経験と知識をお持ちの方です。

2年ほど前にコチ丸を捕獲するまでの5ヶ月間、本当に本当に苦労してやっとわかったことのほぼ全てが、菊池さんのSNSの投稿に書かれてあり、「先に読んでいたかった~!」と叫んだことがあります。

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菊池さんのひとことで名前もつけました。

「ポプラで決まりだな。」

ポプラ並木が美しい場所だから。

ポプラは一説によると、高い高い木のてっぺんの誰にも見えないところにだけひっそり気高く花を咲かせるんだそうです。

お日様と鳥だけが見られる花。

その一方で別名は勇ましく「山鳴らし」、花言葉は勇気。

まだ子犬らしさが残っているのに、ひとりたくましく生き抜く男の子にぴったりな名前。

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その後毎日のようにアドバイスをいただきながら、様々な方法を試みましたが、人間の勝手な都合による制約があまりに多くてなかなか成功に至れません。

その場で地団太を踏みたいほどのくやしい思いを何度もしました。

毎日通ってご飯をあげて、来ない時はずっと待って、一緒に時間を過ごして信頼を少しでも築いて・・・夜中や早朝でもリサーチや準備に出かけて、それ以外の時はとにかくいつも時間に追われて走っていました。

会社はさすがに頭を切り替えて集中しましたが、家でしなきゃいけない仕事は寝てしまわないように立ってしたりしていました。

でも作戦をひとつ失敗したらまた遠ざかって振り出しに戻り・・・

そうしているうちにポプラは明るい時間も出没するようになり、近隣で少しずつ有名になっていきました。

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場所を明記した写真がSNSでシェアされてしまったり、親切心から追いかけてしまう人が出てきたり、大勢でイベントのように集まってライトで照らしまくって追跡したりされ、それによってポプラはまた警戒心が強くなってしまったり・・・

一組お願いしてやめてもらってもまたすぐ次の一組が現れてキリがなくて。

救いだったのは、ポプラはあまり長い期間恐い経験を引きずらず、気持の切り替えができるようであるところでした。

そしてどうしてももうひとりの手が必要だった時期に期間限定でお手伝いに来てくださった方が一人だけいたこと。


それからコチ丸の血縁のこむぎちゃんの飼い主さんがネットで迷子犬探しなどをしてくださったり、大量に消費するポプラ用のおやつや差し入れを送ってくださったこと。

ひとつひとつメッセージをつけて、箱いっぱいに詰め込んで。

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それでも、慎重にひとつひとつ積み上げてきた積み木が崩れるのはあまりにも一瞬であっけなく、そのたびにまた立ち上がって一から始めることは本当になんと言ったらいいか・・・パワーを振り絞るためのパワーをさらに振り絞るようなって言うのかな。

間違いなくバカだと思います。

でも明日はわからないんだもの。

今日元気でいてくれたって明日事故に遭ってしまうかも知れない。

その後悔を背負って生きたくないのです。

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3/3へ続く。











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プロフィール

lohamakegu

Author:lohamakegu
ボランティアで犬猫の保護と譲渡をしています。

現在募集中の子:ポプラ

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