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2018/01
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連なる足跡
柊は保護したばかりの頃はいつも鳴いていました。

外の世界からいきなり見たこともない小さな部屋に閉じ込められて、何がなんだか、どうしたらいいかわからず、不安で不安で鳴いていました。

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でも、ただただ混乱ばかりだったその時期はほぼ過ぎたようです。

ようやく彼女の本来の性質が徐々に見え始めてきたところ。

まずわかったことは、彼女はどうやら寂しがり屋らしいということ。

基本的に誰かの傍にいる方が落ち着くみたいです。

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ただし在宅時間の短い夫にはまだ慣れていなくて、今のところは私だけです。またはコチ丸。

保護部屋の外に人の気配を感じると「にゃーんにゃーん」と呼びます。

こちらは働く主婦ですから必ずご要望に添えるわけではありませんが、できる限り顔を見に行きます。

「鳴く→思い通りになる」というパターンを避けるためにも、100%は応えないことは共同生活をしていく上で有効かもしれません。

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ドアを開けると「待ってたのー」と迎えてくれます。

あらうれしい♪

そして私の足元に体をスリスリして、手に「撫でて~」と頭を押し付けてきます。

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耳の後ろや背中を撫でてあげると喉をゴロゴロ鳴らします。

そして私の顔を見上げて、かわいい声で「にゃーにゃー」とおしゃべりしてくれます。

たまには目の前にゴローンと寝転んでくれる時だってあります。

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でもそれとは裏腹に、時々はっとしたように飛びのいて、悲壮感すら漂う真剣な様子で私の手を両前足で一回ずつパンチします。

「いけない!信じちゃいけない!」と思い出したかのように。

口をキュッと閉じて、目を哀しく見開いて。

2つの心情の間をまだ行ったり来たりしているのでしょう。

そんな様子からは外の世界でどれだけ恐い思いやつらい思いをしてきたかを連想させられます。

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まだ1歳ぐらい、もっといっていたとしてもせいぜい2歳以下の女の子。

ひとりぼっちになってからはどれぐらい経っていたんだろうね。

よくがんばってきたねえ。柊。

えらかったね。

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でも私はあえてなぐさめず「柊、痛いよ。」と言って、ごく普通の平気な顔でそのまま座っています。

柊は自分がパンチしたことに自分でちょっとショックを受けてしまうのか、しばらくは少し離れてしゅんとしています。

でもすぐに元に戻ってまた足元にやって来るので「いい子だね」と撫でます。

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近頃は自分の名前を認識していて、呼ぶと近くに来てくれるようになりました。

かと思えば、そばで安心してくつろげるところまではまだいかなくて、ちょっとした動きや動作ひとつで逃げていくこともあり。

もしかしたら新しいおうちに行っても、なじむまでに少し時間がかかってしまうかもしれません。

けれど私の知る限りではそういう子ほど、なじんだ後はより深い信頼と絆が生まれるものです。

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共に成長してきた一歩一歩にはそのたび感動が伴なうし、後になって一緒に振り返ったら、そこには人間と肉球の二人三脚の足跡がずっと向こうの方まで連なっていることでしょう。

そのそれぞれ全部が大切な思い出に彩られているなんて。

いいなあ。

柊。そのとまどいや葛藤もまるごと受け止めてくれて、大らかな気持ちと長い目で見守ってくれる家族に出会えるといいね。

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保護部屋の中
我が家の保護部屋は本来納戸なので、収納用の家具や引出しがいくつかあります。どれも1mから1m20cmほどの高さです。

柊が寝床兼隠れ場所として使っている犬用クレートは最初は床に置いていましたが、高い場所の方が落ち着くようなので、棚の上に移動しました。

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食事もやはり高い場所の方が安心してできるみたいなので、隣り合った別の棚の上にご飯とお水セットを移動しました。

ご飯用テーブルはちょっと場所を取り過ぎて置けないので、棚の上に食器直置きで、高さ的には少々食べにくいかもしれないけど、まあ当面は安心重視で。

床に設置してあるご飯テーブルにももう一つお水を置いておきます。

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あとはパネルヒーターとキャンプ用の低い椅子。

普段はフローリングですが、保護っ子がいる時は防寒と防音のために簡易的なカーペットを敷きます。

特に決まったレイアウトや設備はなく、その時にいる子の性格によって変わります。

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最初のうちはその子の行動を見ながら、引いたり足したり動かしたりして、できるだけその子が過ごしやすいように、かつ家に馴れていきやすいように調整していきます。

普段納戸に詰め込んである荷物の一部はリビングに移動するしかないので(来客の時はさらにまた移動して寝室に詰め込む)、レギュラーメンバーは普段より少しばかり窮屈に過ごしていたりします。

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私は時間ができると、自分用の飲み物とか本とか葉書とかノートとかを持って、ちょこちょこ保護部屋に出張します。

そしてあえて柊にはちょっかいを出さずに、ただキャンプ椅子に座って自分の用事をしています。

柊もただクレートに隠れています。

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たまに覗き込んで礼儀を欠いたやり方で手を入れるとパンチされます。

でもちゅーるを持っていたら、こわごわだけどしっかり食べます。

いや、こわごわじゃない。

その時だけ積極的。

おーい、近い近い!!

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毎日訪問を繰り返していると、そのうち私が座るとクレートから出て、棚の上から降りてくるようになりました。

そして今では私の足元に体をすりつけ、頭を「撫でて」と押し付けてきます。

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でもだからと言って、まだ完全に身を任せるわけではなくて、私がやや急に動いたりすると飛びのくか、とっさにパンチが出てしまう時もあります。

それから、ご飯の時間になっても最初は私が見ている前では食べませんでしたが、今は食べるようになりました。

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卒業生たちの大半は馴れるまでの間、ナデナデはまだダメだけど、自分の寝床(一番リラックスできる場所)にいる時だけはOKというパターンでした。

でも柊は逆。

寝床には手を入れないでちょうだい。でも仮かあちゃんが来たら下に降りて行くから、そうしたらいっぱいナデナデしてね。

だそうです。

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骨格が健康的で、どちらかというと大柄な方ですが、中身は恐がりの1歳(推定)、まだ子供。

動きはちょこまかしていて、私の足元に体のサイドをすりすりーっとすりつけながら、最後にツヤツヤの美しいシッポをくるんと巻きつけるみたいにして通り過ぎて行き、また8の字を描くように戻って来る、を繰り返しています。

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パネルヒーターにちゅーるをしばらく乗せて温めてからあげると大喜びでやって来て、なめるを通り越してまるで飲み物のようにゴクゴク飲んで食べています。

まだ日によって一進一退だったりしますが、トータルで言うと距離は縮まっています。

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保護から3週間半。不安でいっぱいになる時もまだあるのでしょう。

ひとりで「にゃーんにゃーん」と鳴いていることもありますが、彼女はニャン生の大きな変化を受け入れていこうと一生懸命がんばっています。

そしてこちらをふと見上げてくれる時、その瞳の中にほんのわずかに「信頼」らしきものが見えてきた

・・・ような。

気のせいかな。

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よんなーよんなー
柊はどういうわけかコチ丸に絶大な信頼を置いていて、コチ丸の姿を見ると急いで駆け寄り、ずっとぴったりくっついて離れません。

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ただ残念ながらコチ丸はそれが好きじゃなくて、しばらくはガマンしてくれますが、最終的には唸ってしまうので、当面は近づけないことにしました。

コチ丸にもストレスだし、柊も犬猫にばかりいってしまうと人間に心を開くのが遅れて家庭内野良への可能性があがってしまう。

まずは人間と仲良くなっていただかなくては。

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そしてこの柊ちゃん、逆に猫とは仲良くしたがりません。

マコが最初に近づいて行った時、いきなり先制パンチをくらわしていました。

それはもういっぱいいっぱいの必死なかんじで。

柊は元々強気な感じの子ではありません。

むしろどちらかというと気の弱いタイプだと思います。

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きっとお外で苦労してきたのでしょう。

サバイバル能力の高い猫たちに追い立てられたり食べ物を横取りされたりして、でもどうしても必要な時は必死のパンチで身をまもってきたんじゃないかな。

だからもしかしたら他の猫を見たらまず「私しっかりしなきゃ!戦わなきゃ!」と思ってしまうのかもしれない。

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こういう時はケンの出番だったんだよな~。ケン。

堂々悠々としていて、威嚇されようがパンチされようがまったく意に介さず、平常心のまま相手の寝床に潜り込んじゃったりして、怒っていた相手も気をそがれ、その内あきらめて受け入れられるという稀有なタイプでした。

マコはまだケンの1/3も生きていないし、そこまで腹が据わっていないので、やられたらやり返します。

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最初の対面でいきなり柊がパンチして逃げ去り、マコはその場でしばし唖然としていましたが、その後の展開に笑ってしまいました。

我に返ってから怒りがこみ上げたらしいマコは、猛然と柊のいる所に行き、1発パンチし返して戻って来ました。

そのまま大ゲンカに突入するでもなく、わざわざ出向いて行って1発だけお返しして逃げ戻ってくるところが、人間の子供の意地の張り合いみたいで。

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その後も少しずつマコを部屋に入れてはいますが、今のところ仲良くなる傾向は見られませんね。

昨日は、私がちょっと用事をしている間にマコが柊のふっかふかベッドの奥を「俺の場所だぜ!」と占拠していました。

柊はかわいそうに入口前に小さくなって座り、でも逃げ出さずにがんばっていますが、眠くなってきたのでしょう、だんだん瞼が重くなってきました。

私は、もしかしたらこのままなしくずしに猫団子いけるか!?としばらく様子を見ることにしました。

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柊はお座りが辛くなり、伏せの状態になりました。

でもそのスペースでは窮屈すぎるので、もうちょっと奥側のマコの方へ体重を移動しようとしましたが、その時点でマコはもうパンチの構えをしています。

あー、ムリか。

マコをひっぱり出し、その隙に柊は寝床を取り戻しました。

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ここは柊の場所で「誰にも取られないし、安心していい」ということがもうちょっと定着するまではマコも出入り禁止かな。

でもマコは柊に先制攻撃される前はあまり警戒しているように見えなかったし、柊ももうちょっと我が家で安心できるようになって気持に余裕ができたら、また関係性も変わってくるかもしれません。

2匹ともその日最初に向き合う感じが、そんなに敵対意識を持っているようには見えません。

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距離がつまると「やられる前にやらねば!」みたいになっちゃうけど、「顔を見たとたん拒絶反応!」という風でもないので、時間が経てばいけるんじゃないかな。たぶんだけど。

柊は、世の中がいじめっ子だらけなわけじゃないということを知って、「恐いもの」を減らして、もっと楽ちんに生きていけるようにならなきゃね。

まああせることはない。

よんなーよんなー(沖縄の言葉で「ゆっくりゆっくり」)よ。

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スタイル良いのよ?
今まで撮った柊の写真を見ていると、顔も体もどうも実物より丸い。

良く言えば福々しい、悪く言えば、その~、いわゆるおデブちゃん?

みたいに写ってて、もしかしたら読者のみなさんもそう思っているんじゃないか!と。

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それはですね、今の柊は初めての室内がまだ恐くて、人がそばまで来るのも恐くて。

たいていの場合はキュッと香箱(手足を縮めて箱のように丸まっている姿勢)を組んでいるから首も埋まって二重アゴ風になっているのです。

後はひとえに仮かあちゃんの写真の腕が悪いニャ。

痩せても太ってもおらず、健康的なのびのびしたスタイルであることを披露しておいてニャ。

と柊が言うもので。

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でもそう言うわりにはなかなか体を伸ばしてポーズしてくれるわけでもなく、かなりねばってようやくいくつかのショットを集めました。

その代わりというわけじゃないけど、新しいチャームポイントにも気付きました。

柊はシッポだけ他の部位よりも少し毛足が長く、したがって優雅にふっさりとしています。

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まっすぐ長くてよくしなるシッポで、ピンと立てて歩く時、その振動でゆっくり左右に揺れている眺めは本当にきれいで見惚れます。

そして良く見ると真っ黒じゃなくて、ごくうっすらとこげ茶色の縞々が入っているのです。シッポだけ。

おもしろいですね。そこがとっても好き。

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それにしてもバックや床がいろいろごちゃごちゃ見苦しくてすみません。

この部屋は本来納戸なので精一杯片付けても隠しきれないところがありまして。

どうか柊の美しさだけをご覧くださいませ。

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基本的にまだ引きこもり気味で、リラックスしてはいませんが、たまには手からオヤツを食べてくれるようになりました。

たまにはですが。

そして高台のご自宅(隠れ場所)から時々外出なさるようになりました。

最初は私が部屋のドアノブに触れると間髪入れずに隠れ場所に逃げ込み、ドアを開けたときにはお尻も見えないという状態でした。

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今は最終的には逃げ込みますが、私が部屋に入って近寄っていってから。ぐらいのタイミングに進化しています。

この程度で進化というのか知らないが。

そして私が室内にしばらく居座り、知らん顔して極力気配を消していると出てきてくれることもあります。

特にちゅーるを持っている場合は。

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今まで自分で保護した成猫はみんなだっこで保護できてしまうほど人馴れしていました。

仔猫は馴れもなにもなく、それ以前に元から無防備ですから人馴れに関しては悩みなし。

それ以外の子達は、愛護センターやシェルターという室内を介して来たので、馴れていないではあっても、柊ほどではありませんでした。

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なので若いとはいえ生粋の野良ちゃんと一から始める今回は、私にとっても初挑戦と言える、探り探りの毎日です。

うちに来て約2週間ですが、進化スピードはやはりかなりゆっくりです。

ただ、それは今までの子達との比較でしかない。

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過酷な外の世界で長い期間苦労して暮らし、人間を信頼していないのはその子のせいじゃない。

まぎれもなく人間のせい。

どんな子だって幸せになる権利がある。

苦労してきた分、安心してお腹いっぱいでお昼寝できる毎日を手にしてほしい。

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自分のまわりに起こっている急激な変化。

わけがわからないでしょうし、まだ恐くて恐くて仕方ないだろうね。

しばらくは不安の中で眠りについて、また目を覚まして、それを繰り返していくしかない。

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でも柊、時間てすごいのよ。

必ず少しずつ楽になるから。

ブランケット畳んだのを今日からもう一つ重ねてフッカフカにしてみたよ。

寝顔を見せてもらえる日を楽しみにしてるね。

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パラパラ漫画風
いつもダラダラ長文ですみません。

特に新年早々3部作の長編でお疲れになった読者様も多いことかと存じます。

なので今回は文字数少なく、パラパラ漫画風でお届けいたします♪

柊ちゃん、柊ちゃん、出ておいで~。

「いやです。こわいんだもん。」

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「私はいません。できたら見ないでもらっていいですか?」

そっか~。まだ恐いよね。わかるよ。

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でも、じゃあこれはどう?好きでしょ?

「なんですかそれ?憶えてません。」

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いーからいーから。ちょっと匂いかいでみて?

「え~。」

くんくん・・・

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「なんだか嗅いだことあるかも。良い匂いかも。

恐いけど一口だけ食べてみようかな。」

おそるおそる・・・ぺろ。

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「おいしい!」

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「ためしにもう一口。」

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「やっぱりお~いし~い!」

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「わぁ~い!もっとくださ~い!」

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「ぺろぺろぺろぺろ♪」

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「もいっちょ、ぺろぺろぺろぺろ♪」

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「むぎゅ~♪」

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「おいしかった!満足です♪

ごちそうさまでした~。」

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「でもまだ恐いから触るのはダメ。」

あら、そうなの。

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でも手で持ってるの食べてくれたね。

えらいえらい。ありがとうね~、柊。

また食べようね。


ホーリーナイト
そしてまた数日が過ぎ、新たな問題が起きました。

黒白ちゃんのいるあたりにいつも食べ物が置いてあることをかぎつけた、ツワモノの2匹組がテリトリーを広げてきたのです。

しばしばご飯を奪われているようですし、黒白ちゃんが追いかけられて逃げているのも見かけました。

・・・まずい。

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その2匹組はご飯をあげている人がいますが、ありつける場所は少しでも多く確保したいのでしょう。

でもその子たちは悪くない。

彼らもまた必死で生きてる。

朝方には霜の降りる冷たい枯れ草の上、2匹ぴったりくっついて丸くなり、片方が眠っている間、もう片方は静かに頭をもたげて安全を確かめたりしているのです。

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でもこの状況、早くしないと黒白ちゃんはこのエリアからいなくなってしまうかもしれない。

もう橙は「里親さんからお預かりしている子」です。

衛生面やメンタル面で、特に手術直後は捕獲したての子と同室にすることは避けたい。

考えた末、里親さんに状況をそのまま正直にお話ししてみることにしました。

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その結果、年明けを大幅に前倒しにして24日クリスマスイブのお届けが決まったのです。

「思いがけず早く来てくれることになってうれしい!」と言ってくださいました。

トライアル期間も不要と。

これは黒白ちゃんの存在には無関係です。

橙がどういう子であっても、どういう展開になっても、たとえ仲良くなるのに時間がかかっても、すべてを受け止めて家族になってくださるというご覚悟を意味するものです。

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さあ、イブの午後にお届けしたら、その夜には捕獲だ。

あ!捕獲器を貸してくれる人を探さなきゃ。

うちは車が無いから病院に搬送してくれる人も。

私とコチ丸がおとりになって視線を引き寄せている間に捕獲器を設置してくれる人も。

動物病院の予約をして、保護部屋を掃除消毒して安全を強化して、それからそれから・・・

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この季節になると我が家には黒白ハチワレがやってくる決まりになったのかしら。

昨年にひきつづき。

男の子だったらサン太の次でヨン太にしようかしらと思っていましたが、女の子の可能性が高そうなのでボツ。

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でもイブの夜に捕獲すると決めたら、名前は自然に浮かびました。

柊(ひいらぎ)。


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こうして私は、巷ではキラキラ華やいでいるクリスマスイブの夜、人気のない暗い地面に汚い格好ではいつくばっていました。

捕獲器は小さいのしか借りられなくて心配だったけど、私とコチ丸で視線を逸らさせている間にささっと設置してもらいました。

さすがに用心深くてなかなか入ってくれない。

日を改める・・・いや、でも他の日のチョイスがない。

ダブルにプラスしてショルダーリードもつけたコチ丸と一緒に何度も何度も誘導しなおして、とうとう入ってくれた!

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捕獲器のふたが閉まる「カシャン」という音は重い。

捕獲できたことにはホッとしますが、ここからのその子の猫生の全責任が、その音とともに一気に肩の上に降りてきます。

「カシャン」と。

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さて柊、手術を終えて我が家の保護部屋の住民となりました。

が。

これが予想よりはるかに怯えてしまって。

最初の3日半はご飯を食べませんでした。

見事な飛行機耳(恐い時になる)。

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そして追ってもいないのに逃げまくる。

おーい、私だよ!

あんなに毎日駆け寄ってきてくれたじゃん!忘れたの?

・・・忘れたらしい。

それでも今は完食するようになっていますし、すこしずつ落ち着いてはきました。

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触れようとしたりじっと見るとまだ怖がるので、無理はせずに大半の時間はひとりで過ごさせています。

この子はちょっと長めに時間がかかりそうかな。

でも妊娠もしていなかったし、ウィルス検査も陰性。

その他の血液検査数値も問題なし。

本当に良かった。

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ここからようやくスタート地点です。

まずは人間がそんなに悪くもないもんだということを知ってもらって、すべてはそれから。

そりゃそうだよね。今はまだ怖いよね。

でも柊が幸せへの道を歩めるように仮かあちゃんがんばる。

ゆっくり一歩ずつ、焦らず行こう。柊。



見送られる痛み
翌日も、そのまた翌日も、同じくらいの時間に同じ辺りに行くと、黒白ちゃんはどこからともなく出て来ました。

最初の時と同じく、ニャーン、ニャーンと鳴きながら、向こうから小走りに近寄って来ました。

しばらくの期間、様子を見ているといくつかのことがわかりました。

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いつもむこうから先に私達を見つけて駆け寄ってきてくれること。

毎回必ず遊歩道を一緒に歩き、テリトリーの果てで見送ってくれること。

コチ丸のことも気になるらしく、コチ丸と並んで歩こうとしているように見えること。

かなりそばまで来るけど触らせてはくれず、手を伸ばすと払いのけられますが、そのパンチがなんだか優しいこと。

目の前でごろーんごろーんと転がって見せたりもしてくれること。

そのちょっと弱くて優しい感じのせいなのか、どこの猫グループにも混ざれていないようであること。

餌やりさんたちの出没地点と場所がずれており、ご飯をあげる決まった人はいないらしいこと。

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それでも黒白ちゃんの近くの地面にはたいてい一握りのキャットフードやおやつなどが置かれています。

その時によってちがう種類のもので、地面の上に直、または紙などの上に乗せてあり、これは一般的な餌やりさんの方法ではありません。

遊歩道はジョギングやウォーキング、犬の散歩をする人がいて、そのうち不特定数の人が不定期に何かしらあげているようです。

どうりで白い部分が汚れてはいるものの、毛艶は良く、痩せてもいない。

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私が見かけるようになってからはそんなに経っていないけど、おそらく時間帯がちがっただけで前からいたのかもしれないな。

他所から移動してきたにしても、ご飯はもらえていたのでしょう。

それにしてもなぜなんだ。

お腹がいっぱいの様子でもその子は私達にまっすぐ駆け寄ってきます。

毎回必ず。

でもほかの人に同じことをしているのは見たことがないのです。

じゃあなんで触るのはダメなのさ。女心はわかんねーな。

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私達がその場にいる限り、かたわらにいて一緒に過ごします。

そして最後はいつもの場所で見送ってくれる。

凍てつく空気の中、小さくなっていく黒白の姿をたびたび振り返りながら、毎晩家路についていました。

でもまだ12月初旬。本格的な寒さはこれから。

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猫はちゃんと暖かいところを見つけると言いますが、そんなことないでしょ。

暖かいところなんてありはしない。

せいぜい「まだマシなところ」だよね。

こんなことを春まで続けることはできないなあ。

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そうこうしているうちに橙にはぴったりのご家族が見つかり、避妊手術も決まりました。

手術が終わり、卒業したら、黒白ちゃんを連れて帰ろう。

休業再開はおあずけだ。

ただ、橙のお届けは年明けになりそうでした。

それまで無事にここにいてくれるだろうか。

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そしてこちらが見つけるより先に、私達を見つけて寄ってきてしまう子の目の前で、いったいどうやって捕獲器をしかけたらいいのか?

自分がつかまえようとしている子の目の前で、見るからに怪しいアルミの四角い物体を設置する人などいませんから。

捕獲に成功したとしても病気だったら。

妊娠していたら。

心配事はいくらでもある。

でもとにかくやってみるしかないのだ。

あと約半月、どうか無事で待ってて。

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捕獲を決めた日から少しずつおやつをあげるようにしました。

お腹が空いていなくてもちゅーるだけは喜んで食べることがわかりました。

ただし、袋の口から直接なめることはなく、トレーに搾り出してあげないと食べません。

人懐っこいのか慎重なのかどっちなのよ。

誰が何時頃にご飯を置くかわからないので、捕獲のために空腹にさせることはできなそうだけど、少なくともちゅーるが使えることはわかった。

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そしてコチ丸。本来なら捕獲に連れて行くべきではない。

コチ丸のリードを持っていることで動きも制限されるし、猫にもコチ丸にも注意が甘くなるのは危ない。

しかし!

試しに私ひとりで何度か現場に行きましたが、黒白ちゃんは近寄って来ずに遠~くの方から見ているだけ。

私とコチ丸がセットでないとそばに寄ってきてはくれない!

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・・・えーと、なにをどうしたらいいのか。

もうちょっと整理させてね、黒白ちゃん。

つづく。

駆け寄ってきた子
新年おめでとうございます。

送っていただいた卒業生たちの写真がいくつかあるので、本文とは関係なくご紹介しますね。

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グリム改めポチ丸。牛に愛される。

橙を保護してからそんなに経っていないある晩、公園外周の遊歩道をコチ丸と散歩していると、突如目の前に1匹の猫が現われました。

ひっそりたたずんでいた。

とかじゃなく、ニャーン、ニャーンと鳴きながら、向こうから小走りに近寄って来たのです。

なにやら一生懸命な顔で。

そして私達の前で立ち止まりました。

てことはお腹が空いてるの?

それにしてもあなた、なんで今日から急にいるの? 

さもいつもの顔見知りみたいに駆け寄って来ちゃって。

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むーこ改めココちゃん。相変わらずの美少女ぶり。発症もなく元気です♪

などと話しかけながら少し歩を進めると、一生懸命の顔のまま速足でついて来て、私達の横に並んで一緒に歩こうとします。

このあたりには確かに外で暮らす子達が複数いる。

それぞれ数頭ずつつかず離れずのグループで暮らし、ほぼ決まった人にご飯をもらっている。

そういう子は耳に小さな切り込みがあり(避妊手術済みの証拠)、表情には今まで生き抜いてきた強さと険しさが見える。

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メイとなごみ。なごみはずいぶん年をとりましたが元気です♪

本当は、どんな子だってみんな俺んとこへ来ーーーい!!

と連れて帰りたい。

けれど、それをやったらあっという間に自滅してしまう。

「全員を連れては帰れない」

これはたぶん保護に関わった人の大半が苦しめられている現実。

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選びたくなんかない。

けど力が足りなすぎる。

せめてつかまえられそうな順、あるいはほっとけない順に力を注ぐしかない。

話がズレました。

このことを本気で話したら何ページあっても足りなくなってしまいます。

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とにかくその新顔は、近寄っては来ても決して触れさせてはくれない距離や、汚れた毛、他にもいくつかの様子から、最近捨てられたとは考えにくい、外で育った子なんじゃないかなと私には思えました。

なのにどうしてか、表情にはまるでスレたところがないのです。

黒白ハチワレ。

まん丸の目にバラ色の鼻。

きれいな白い歯。

1歳ぐらいかな。 う~ん、男の子? 女の子?よく見えない。

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今はまだ橙がいる。

衛生面やストレスなどを考えるとせまい我が家には置いてあげる場所がない。

もちろん明日なにがあるかはかはわからない。

でもこの子は、人間に自分を触らせないという点と、推定1~2歳までは生きてきているという点においては橙ほどは無防備ではない。

もうひとつ。

この子をとりまく現状をもう少し見なくては。

いずれかのグループと一緒にいるのか。

気にかけてお世話をしている人はいるのか。

そして我が家の状況をやりくりできるかも考えなくてはいけません。

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いろんなことで頭をいっぱいにしながらその日は立ち去ることにして、家の方向へ向かいました。

黒白ちゃんは、ところどころで木に顔を擦り付けたり、低い柵の上を綱渡りみたいに器用に進んだり、そのせいでちょっと遅れたりしながらも、せっせと私達の横について歩き続けました。

そしてある地点、たぶんその子のテリトリーの果てと思われるところまで来ると、そこで立ち止まって、それ以上は進まずにじっと私達を見送っていました。

つづく。

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プロフィール

lohamakegu

Author:lohamakegu
ボランティアで犬猫の保護と譲渡をしています。

現在募集中の子:ポプラ

ハンドメイドねこ首輪 月猫堂
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