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2017/07
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ゆるぎないもの
今まで、動画を撮る習慣が無いというか、撮ること自体をまず思いつきませんでした、私。

みんなの写真はいっぱいありますが、動いてるやつがほとんどなかった!

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でも先日、パソコンの中に埋もれていたケンの動画を発見しまして。

やっぱり動いてるのはいいな。

ほんの短い、なんでもない毛づくろいの場面なのですが、小さな癖とか毛の感じ。声。

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ケンだ。

胸に小さな明かりが灯ったような想いで、うれしくなつかしく見ました。はい、それはもう何回も。

動画、撮っておくといいですよ。

って、言われなくてもふつうの人はもっと撮ってるか。

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ケンが私を喜ばせるためにカリカリをがんばって食べていたことは以前書きましたが、その話にはもう少し続きがあります。

ケンは我が家に来て8ヶ月目に一度大きく体調を崩してからは、カリカリはほぼ食べなくなって、濾した療養ウエットをシリンジで食べさせていました。

それでもケンの専用スポットであるキッチンカウンターのすみには、少しだけ腎臓サポートカリカリを入れたお皿を毎食置いていました。

そしてそれはいつも手付かずか、ほかの子が侵入してきて食べてるかで毎日が過ぎていきました。

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でもある日、ケンがキッチンに立つ私の背中をチョイチョイとするので振り向くと、カウンターの上で空のお皿に顔を入れて、カリカリを探す風なしぐさをしました。

あっ!と思って急いでカリカリを入れると、ケンはすぐに一粒口に入れました。

家に連れて来た時に口腔の状態があまりにひどかったからほとんどの歯は抜歯してしまったし、長いこと固形物を食べていなかったのもあってか、上手に噛めずに口からこぼれてしまいます。

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でも一生懸命一粒ずつ口に入れて噛むしぐさをして、そのたびに得意そうな満足そうな顔で私を見上げるので、胸がいっぱいになってしまって。

「えらいねえ。すごいねえ。」と何度もなでました。

その日から、毎日少しずつでも食べるようになり、私もうれしくて褒めまくり、こうして「応援すると食べる」図式が出来上がっていきました。

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一回に食べられるのは少量ですが、とてつもなくゆっくりで、でも私が応援つきでずっと見ていないと食べないのです。

その間つきっきりで延々褒めるのはけっこうな手間で、時間が無い時などは正直、困ったこともありました。

それでも、自分の意思で、自分の力で、噛んで食べることはものすごく重要だと思うので続けていたら、調子の良い時期は一日の必要量の半分くらいは食べられるまでに回復してくれました。

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ただやはり、それはそう長くは続かず、また少しずつ減っていきました。

そしてある時ようやく気付いたのです。

ケンは褒められたいわけじゃなかった。

ただ、私を喜ばせたくて、喜んでいる顔を確かめたくて食べてたんだ。

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最後の方は固形物を受け付けなくなり、食べたら吐いてしまうようになりました。

それでも彼は、いつも変わらずのんびりと機嫌よく、台をつたってよいしょっとカウンターに登り、「カリカリをお皿に入れて?」と私に催促しました。

そしてたとえほんの数粒でも元気に食べて見せてくれました。

固形物で吐くということがわかってきたので、もうカリカリはやめようとしていたのです。

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でも胸を張って食べる気満々。

「どうして入れないの?」と聞いているようなケンの顔を見ると、なんだかその気持を踏みにじるような、誇りを奪うような気がしてしまって、その後も数回はカリカリをお皿に入れました。

褒めるともう一粒食べちゃうから褒めなきゃいいのに、ケンの心意気に胸を揺さぶられて、褒めずにはいられませんでした。

「ケンはえらいねえ。ほんとにすごいねえ。」

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そしてもう一つ。

お皿を撤去してしまうのは、何かを諦めてしまうようで、寂しくて悲しくて即座には踏み切れない弱さがありました。

本当はケンの体にかかる負担を少しでも軽くするよう、感傷は排除しなくちゃいけない。

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撤去してからもカウンターでお皿を探すケンのおでこを撫でて、「ありがとうね。もういいんだよ。」と告げた時の胸の痛み。

ケンはただ穏やかな表情で私の言葉を聴いていました。

そしてその後はもうお皿を探しませんでした。

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本当のところはわかりません。

ケンが思っていたことは全然違うかもしれないし、人と猫がここまで気持を通じ合わせることなどありえないかもしれない。

でも私は、どうしてかな。ただ信じています。

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うまく言えないけれど、魂の結びつき、絆みたいなものの存在を。

皆さんも既に手にしているかもしれないし、これから訪れるかもしれない。

そのたしかな、ゆるぎない何かを。

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長生きしてね。
故ロビン・ウイリアムス主演の「JACK」という映画を時々ふと観なおしたくなります。

通常の4倍の速度で成長してしまう男の子の物語。

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お母さん役はダイアン・レイン。

たぶん、私達飼い主の気持って、このお母さんに近いんじゃないかと思うのです。

ある日やってきてくれた大切な我が子が、いつしか自分の歳を追い越し、子供のような心のまま先に逝ってしまうことが最初からわかっている。

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だからこそ1日1日をいっそう大事に感じて、今日も一緒に過せる幸せに感謝して、病気に負けず曇りのない心を抱いて生きるわが子を誇りに思う。

ハイスクールの頃なんて、もうよれよれのおじいちゃんなんですよ。

でも生きる力に満ちた卒業スピーチに胸がいっぱいになります。

よく晴れた日の校庭。クラスメイトたちと一緒に、緑の木々を背に笑顔で堂々と立って。

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動物たちもみな、与えられた生をひたむきに生きることの天才みたいですよね。

そのことだけで私には十分に眩しい存在です。

シニアになってくると、残された時間が短いことや、互いの気持がより深く通じることなどもあってか、なんだか赤ちゃんよりもかわいく感じられます。

この世で一番かわいいものはシニアだ!と言っても決して過言ではないのだ。

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ずっと一緒に暮らして来ていなくてもそれはあまり変らず、たとえうちの子じゃなくてもシニアが大好き。犬も猫も。

もうだいぶ暑くなってきたけど、シニアのみなさん、のんびり行こう。長生きしてね。

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水は我が家に連れて来た当初は4歳くらい?との見立てでしたが、ひょっとすると倍ぐらいの歳で、シニアに入りつつあるのかもしれないと思っています。

確信ではないけど、全体の感じでなんとなく。

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最近はちょっと甘えんぼになって、よく「なでなで」のお誘いに来ます。

彼女はなでられ場所を決めていて、まずはそこまでいそいそと先導してくれます。

急ぎ足で、しっぽをぴんと立てて、時々立ち止まっては振り返り、ついて行く私の顔を見上げながら。

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到着するとゴロンとおなかを出して「さあ!」と横たわります。

水は太ってはいませんが、頭も胴体もそれはそれは女の子らしく丸っこい。

そしておなかの毛がちょっと長めでふわっふわなので、なでる方も気持いいのです。

私もとなりに横たわって、思う存分なでなでを楽しみます。

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夜は私の枕に乗って、私の顔にぴったりくっついて眠ります。

けっこう後から気付いたのですが、水はたぶん耳が聞こえません。

きちんと検査する方法はないそうですが、音への反応からいうとほぼ間違いないと思います。

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猫たちに話しかけられた時、私は基本、少なくとも返事だけはするようにしています。手が離せなくて振り向けなかったとしても。

ただ、水だけは私の顔を見せないと返事をしていることがわからないでしょうから、眼を見て返事をしています。

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そして耳のせいもあるのかな、水は他の子への距離のとり方があんまり上手じゃない。

たとえば私に甘えたい時、一生懸命鳴いて近づいてくるんだけど、その動線上にコチ丸がいても気にせず進み、結果的にコチ丸のまん前でコチ丸に向って訴えているような状況になってしまうことがあります。

目は見えるので目のせいではないと思うのですが、意図せずに相手が不快に感じるような距離まで踏み込んでしまう感じ。

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もちろんできる限りは見ていて、そうなる前にたしなめるのですが、その反応がまた、どこまでもおっとりぽわわ~んとしていて、どうにも手ごたえが得られない。

たまにいらっとしたマコに頭をぺしっとされてきょとんと固まっています。

でも逆に一番気難しいハルはむやみにシャーシャーしなくなり、仲良しではなくとも明らかに存在を受け入れています。

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寒くなる頃にはケン亡き後の新しい猫団子のお相手ができるといいねえ、水ちゃん。

まあ少なくとも補欠でかあちゃんが控えてるからだいじょぶね。

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写真展のご紹介です。私の写真の先生、写真家の上村雄高さんも出展されています。

震災以来6年間ずっと、福島県飯館村に通って、置き去りにされた犬猫たちの写真を撮り続けているだけでなく、給餌や保護もされていらっしゃいます。

ただ無垢に家族を待ち続ける彼らの気高い姿とまなざしをぜひ見におでかけください。

あまりにずしんと来てしまったら、他の写真家さんたちの写真で和んだり、思わず吹き出したりして。

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大好きな1枚です。マメちゃんが歩んできた道。これから歩む道。

グッズや本もありますよ~。

猫の合同写真展 ねこ専 → 詳細
2017年7月4日~16日(日)※10日(月)休み
11時から19時(最終日は17時まで)
ギャラリールデコ 3階・4階 → 詳細 
東京都渋谷区渋谷3-16-3
入場料:300円



プロフィール

lohamakegu

Author:lohamakegu
犬猫の預かりと里親探しボランティアをしています。

現在募集中の子:今はいません。

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