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2020/09
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少しずつ少しずつ
ポプラはおそらく人と暮らす経験をほぼしないまま外に放たれたのだろうと思います。

そのまま半年間ほどを過酷ながらも自由に暮らし、それをいきなり一般家庭に連れ込んでしまったものだから、まずトイレを教えるのがけっこう大変でした。

憶えたと思って油断していると、ある日からまた全然違う床の上に大きな水溜りを作り始めるといった具合でした。

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きっとめまぐるしい色んな変化にひどくとまどっていたんだろうな。

本当は賢い子なので、やがて失敗の回数は減っていき、今ではちゃんとシートのまん中にしています。

きまじめな表情でお行儀良く腰をおとして。

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それから散歩。 

KDPで菊池さんに教わったことを家の近くでも練習し始めました。

ポプラがどんな動きをするかまだよくわからないし、間違いなく力は強い。

コチ丸の捜索以来ポンコツ化した足腰の私ひとりでは何かあった時に対応しきれる自信がなかったので、当面の間は誰かしらに付き添ってもらえる時だけにしました。

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休みが合った日の家族はもちろん、ひろちゃんや菊池さんを介して知り合った貴久子さんも遠くから来て一緒に歩いてくれました。

短い距離からコツコツと。

最初はとにかく逃げられるのが恐くて緊張しました。

様々な捕獲方法をすべて失敗した末にやっと捕まえたポプラは、それらの経験が増えている分、次に逃げたら捕まえるのはさらに、いやいや、はるかに難しくなるから。

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もちろんポプラ自身もかなりの恐がりようでした。

首輪もリードも道も車も自転車も大人も子供も音もちょっとした一瞬の振動も、とにかくすべてが恐い。

私がちょっとつまづいたりしただけでもう大変。

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飛び上がってびっくりし、その辺の車の下やしっかりした固い枝が刺さりそうな植え込みなどに隠れようとして私を引きずる勢いで突進して行きます。

そうかと思うと車道にはいつくばってまるで動けないのを今度は私が引きずって。

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私の恐怖心がポプラにも伝わって、さらに動揺させていたのだと思います。

同行したコチ丸は、普段は穏やかで安定している子です。

でもその時は派手に鼻鳴きして、すれ違う知人にまで駆け寄って切々と何か訴えていました。

ヤキモチを焼いてるのか?と思ったのですが後からわかりました。

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コチ丸にも私の不安が伝わっていたのですね。

「かあちゃんが大変だ!助けてやっておくんなせえ!」と訴えていたのかな。

お恥ずかしい・・・

そんなこんなで、通常なら徒歩5分の公園に辿り着くまででもう互いに疲労困憊でした。

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家の中ではまだリラックスには遠いものの、わずかずつ変化し始めました。

見ている前でもご飯を食べるようになり、眠るようになり、撫でても逃げなくなっていきました。

我が家は人間が寝室に行くと犬も猫もなんとなくぞろぞろやって来て、みんな一つ所にかたまってキャンプみたいに眠ります。

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ポプラは引きこもりから卒業した後もはじめはひとりでリビングで眠るほうが楽そうでした。

でもある時からみんなの後について、おずおずと「あっ、あのー、自分もいいすか?いいすかね?」と寝室に入ってくるようになりました。

上目づかいでさささーっと。

おもしろかったなあ。

その晩から私の足元で眠るようになりました。

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それが自分からこちらに近づいてくれた初めてのアクションだったと思います。

きっと勇気が要ったよね。

そんな感じで一生懸命勇気を出して、少しずつ少しずつ前に進むポプラなのでした。

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どこから来たの?
どうも、月刊グリム日記です。

すっかり月刊が定着しつつあるような更新頻度ですみません。

桜の季節ですが、お話は2ヶ月半ぐらい前に遡ります。

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我が家に来てから1カ月ぐらいの間、ポプラは毎日バリケンの中か部屋のすみっこの椅子の下で息を殺して1日中寝そべっていました。

ご飯も顔の前に置いてやらないと食べないし、こちらがちょっとでも急な動きをしようものなら飛び上がって逃げまわります。

体が大きくて力が強いものだから、そのたびに家具に体当たりしたり水入れをすっとばしたりして、猫たちも驚いて悲鳴をあげ、一斉にちらばって避難するし、コチ丸はポプラを静止させようと現場に急行したりして、なんとも騒々しい毎日でした。

公園にいた時はあんなに機嫌よく広場を走り回っていたのに、別の子のようにビクビクオロオロしてしまって。

でもポプラのおびえた表情はまだ仔犬の面影がちらついてかわいいんだよなあ。

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それにしてもこの、人と家に馴れていない感じ。

ポプラはいったいどこから来たんだろうねぇ?

ポプラの体にはマイクロチップが入っていることが病院で判明したのです。

ただし、その後の登録が獣医師会にされていなかったため、なんの情報もわからなかったのですが。

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ということは一度は人の手を経ている。

チップを入れる意識のある、おそらく保護活動者。

推測① 仔犬の頃に保護→すぐに逃がした。

推測② 保護→譲渡→すぐに逃がした。 or 捨てた。

ポプラを初めて見かけた頃から「探している人」を探しています。

でも見つからない。

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マイクロチップは入れるのに逃がしても探さないというのは考えにくいので、おそらく②が近いかな。

いたずらが過ぎるとかそんな理由で故意に逃がされた。

あるいは過失による脱走でもその後ロクに探してもらえなかったのかね~。

そして最初の保護の前はどこにいたのかな。

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捕獲器や大きなトラップのようなエリアに絶対に入ろうとしなかったのも、最初に捕まった時に経験していたからかもしれないね。

幼いと言っていいほど若いのにいろんな経験をしてきたんだねーきっと。

慎重で恐がりなのもそのせいかもしれないし、それだからこそ事故や事件に巻き込まれないで生き抜いて来れたのかもしれないね。

って全部推測のお話ですがね。

ポプラ、鼻におやつのカケラついてるよ♪

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本当に助かったのは、ポプラがうちの猫達をおびやかしたりせず、最初から同じ群れの仲間のように当たり前にそばにいてくれること。

外にいた時いつもまわりに猫達がいて、ご飯を一緒にもらったり、時には掠め取ってひっぱたかれたりしていたので、ポプラにとって猫の存在はごく普通のことのようです。

並んでお昼寝したりしていますし、猫たちも必要以上にポプラに反応せずに、早い段階から受け入れてくれたことはありがたかったです。

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コチ丸に対しては、捕獲以前から散歩の時にまとわりついては怒られていましたが、家の中ではやや遠慮がちになっています。

でも時々耐えきれないようにバタバタっと近寄って、フンフン匂いを嗅ぎまくり、また怒られていますね。

怒るといってもコチ丸は無駄な乱暴はしませんし、ごく紳士的な範疇です。

ポプラが犬同士の距離感やマナーを学ぶためにはむしろ必要なことでしょう。

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12月中旬の捕獲から1ヶ月ぐらい経った頃、犬の友達兼デンタルケアのプロ、ひろちゃんに付き合ってもらってKDPに連れて行きました。

車酔いはしなかった。よし。

そして菊池さんご指導のもと、そこで初めてリードをつけて自分の脚で歩かせてみました。

ポプラにとってもリードはたぶん生涯初めてだったのかな。

ほとんど歩けなかったから。

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逃げようとしてもがく。はいつくばる。踏ん張る。急にダッシュしようとする。

もがくと首輪がはずれそうでたいそう恐ろしいのです。

だから首輪2本とハーネス。ハーネスと1本の首輪は連結させて首輪のすっぽ抜けを防ぐ。

その首輪とハーネスそれぞれに二股のショルダーリードを繋げて、もうひとつの首輪には噛んでも切れないワイヤーリード。

さらにもう1本、スリップリードもつけるという重装備です。

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これぐらいやらないとオレが恐い。

捕獲のすさまじさをさんざん思い知った今、より一層恐いのです。

その日のポプラは上手には歩けなかったけど、でもたくさんガマンして、頭も一生懸命使って、とってもがんばった。

良い犬です。

さて、明日からまた少しずつ練習していこうか。 

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だいじょぶ!じゃない。
「もう月刊にはならないと思います」と言ったばかりなのにもう月刊。

いえ、月刊以上になってしまいました。

ウソついてごめんなさい。

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ポプラがやってきて2ヶ月が経ちました。

捕獲翌日に連れて行った病院では本当に良くしていただきました。

保護動物をあまり歓迎してくれない病院はいまだに多く、ましてや「大きめ中型の犬、獲れたてのほやほや人馴れなし」に対する門戸はとても狭く、まず病院探しの段階でこんなに苦労するとは思いませんでした。

困り果てた末、アンニイさんに相談してご紹介いただいた大師前動物病院さんは、すんなり温かく受け入れてくださいました。

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素晴らしい病院。

病院みずからもまっすぐな志で保護活動をされています。

もっと近かったらほんとは全員お世話になりたい。

アンニイさん、大師前動物病院のみなさん、ありがとうございました。

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検査結果はフィラリアなし、疾病なし、血液検査オールA、保護のだいぶ前に虫下しを一度飲ませておいたせいか寄生虫もおらず。

体重は19キロ。そして若いだろうとは思っていましたが、見立てはそれを上回り、1歳前後、もしかしたら9~10ヶ月くらいとのこと。 公園に出没しだしたのはその4~5ヶ月前ですから、ほとんど仔犬だったことになります。

2回に分けた通院で狂犬病注射、ワクチン、去勢手術も全部完了。

とにかくすみっこに顔を突っ込んで固まってくれるので意外と楽だったとシャンプーや爪切りまでしていただき、ピッカピカでのご帰宅です。

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最初の頃のポプラは一言でいうと「絶望・・・」って感じでした。

風が吹いても飛び上がって逃げまわり、薄暗い物蔭に引きこもっては前脚で顔を隠して身動きひとつせずにじっとしていました。

トイレは設置してはいましたが、そこまでの誘導自体がこわくて逃げてしまうので好きにさせるしかなく、家中のあちこちでしていました。

絶望穴倉から出るのが恐いので貯めに貯めるため、その量がまたすごい。

池か! 

小用ばかりでなく大もまた然り。まさに小山のよう。

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わずかでもびっくりするようなことがあると、いろんなものを破壊しながら、時には粗相つきで部屋中をちらかして逃げ回るので、猫たちも騒然としてリビング内はそのたびちょっとしたパニックになっていました。

なので四六時中なにかしらの片付けや修理をしていました。

猫用システムトイレのデオトイレってご存知ですか?フードつきのやつ。

あれにも逃げ込んじゃったりして。

どう考えても小さすぎるのに、勢いで無理やり体を押し込んで、今度は出られなくて中でもがいてバキバキバキーッと壊してましたね。

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無理もない。

生まれた所とどこか似ている広々した場所で毎日好きなだけ遊んで走り回って暮らしてきたのに、突然見たこともない場所にいきなり押し込められて、なにがどうなってるのかわけがわからないんだもんね。

そりゃ恐いわ。

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でもポプラにとって今は恐いことでも家族にとっては「なんでもない普通のこと」。

なんでもないことなので、人間はいちいち一緒に騒がず、ごく普通にしていました。

「ああ~かわいそうに!だいじょぶよ!だいじょぶ!」と言うのは、つまりなんでもなくない、全然大丈夫じゃない時。

ポプラにもそれが伝染して「今は大丈夫じゃないんだ!おいら、かわいそうなんだ!」と思っちゃって、もっと小さな所に入られても困るし♪

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人がそばにいる時はご飯も食べなかったし眠りませんでした。

届けを出したときに警官が家まで見に来たけれど、微動だにせずうつろに横たわっていて疑われて心配されてしまったり。

そして朝方はだいたい毎日、リビングから聞こえてくる哀しそうな鼻鳴きの声で眼が覚めました。

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今まで預かった子達はみんなビビリだったけど、もともと多頭崩壊などの出身だから人のそばで暮らしてはきていたし、現場や愛護センターのボランティアの方々から愛情とお世話を受けていました。

だから数週間~1ヶ月くらいで近寄ってきてくれるようになったし、散歩も優秀でした。

でもポプラは少し違っていたのです。

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犬が決める 3/3
冬場になってからポプラは、広場に通ってくる若い飼い犬たちと一緒に毎晩遊ぶようになっていきました。

この頃になってようやく協力してくれる人が現れ始めたのです。

ダイレクトに人は信用できなくても、自分の仲良しの犬が慕っている人はまた違うはず。

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ところがやっぱり近くまで一瞬は来ても、触ることは依然としてできませんでした。

正直、これがずっと続くのかなあという気持もありました。

心身の疲労感がすごかった。

それでも諦める気はまったくありませんでしたが。

長くなろうが、ただ終わるまで続けるだけ。

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ところがもう2018年もあと10日ほどになったある晩、ポプラは今までどんなに誘い込んでも絶対に入らなかったドッグランにふいっと入ってくれたのです。

それまでも他の犬たちと遊ばせながら何度も何度も試したのですが、ノリノリで楽しそうについて来ていても入口の扉より先には決して進まなかったのに。

でもすぐにやっぱり出たくなったポプラは出口を探し回りました。

そして出口を見つけて出ようとしたところで2重扉の間の狭い空間に一緒に入ってリードをかけました。

リードをかけられないように抵抗はしたけど、あばれたり噛んだりはしませんでした。

なんだか思いがけずに保護できてしまったので何の用意も無かった私は、ご近所さんのこれまた超多忙なガイルかあちゃんにSOSの電話をして無理やり呼び出し、バリケンを持って来てもらい、さらには家まで送っていただいたのでした。

バリケンに押し込んだポプラももちろん一緒にです。

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菊池さんが以前何かに書かれていましたが「捕まる時も相手も犬が決める」。

2016年6月に捕獲できたコチ丸の時にもつくづくそれを感じましたが、今回も思いました。

どちらの時も彼らはただならぬ雰囲気にうろたえはしましたが、うっかりつかまっちゃったという感じでもなかったのです。

本当のところはもちろんわからないけれど、私にはなんだか「つかまりに来てくれた」ように思えるところがあるのです。

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捕獲に取り組んでいる間しばしば思うのは、相手じゃなくて自分との戦いだなあということです。

自分の弱さ。ずるさ。緊張。集中力。忍耐力。持続力。体力。覚悟。

いかに動揺せず焦らずに、どんな時も心を静かに平らに保てるか。

そんなこととの戦い。

相手の犬は、物理的には捕まえる相手だけれど、本当はそうじゃない。

一方的で勝手な言い方ですが、いわば戦友であり先生でもある。

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彼らは人間が持ちたくてもなかなか持てない、シンプルで健やかな心で「今」を生きている。

正直なことを言うと、捕まえなくてはと思う一方、彼らが潔くひたむきに何かを目指して進む姿があまりにも美しくて気高くて、その行く手を阻むことが果たして良いことなのかとたびたび自問してしまいます。

現代の日本で安全を守ってやるには、やはり捕まえるしかないんだと思います。

でも彼らの誇りに対して、敬意を忘れてはいけない。

まるでゲームか何かのように、あるいはお金や名誉欲なんかのために、汚れた手によって傷つけられることがどうかありませんように。

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「きれいな心で挑まないと捕まえられないような気がする」という話をした時、菊池さんは「だからオレ捕まえられないんだ~!邪心でいっぱいだから!」とおっしゃっていました。

でも犬達に対する菊池さんは、まさに犬達のように純粋だと感じます。

だからあんなに捕まえられるんだ。

そして色々な意味で武士のような方です。

それから外側も内側も本当に美しいカヨコさん。

こちらに時間をいただいた分、余計なガマンをしなくてはならなかったKDPの犬たち。

ありがとうございました。

心から尊敬しています。

KDPさんは常にたくさんの犬達をシェルターで保護されています。

もしよかったら、「何かしたい!」時に一口ご支援いただけたら幸いです。 → こちら

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さて、無事に保護はできました。

でも本当に大変なのはこれから。

ポプラの歯はきれいな真っ白で、推定1歳前後、もしかしたら10ヶ月ぐらいかもしれないとのこと。

体も初めて会った時より明らかに大きくなっています。

仮に10ヶ月だとしたら、初めて会った時は6ヶ月ぐらい!?

ひとりでよくがんばったねえ。ポプラ。

なんて賢い子なんだろう。

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一度は人と関わりがあったようです。

でもおそらくその期間はとても短く、それ以前は野犬のような環境だったことが推測されます。

よって、首輪やリード、人に触れられること、一緒に屋内で暮らすこと、その全てに慣れていません。

もうすぐ我が家に来て1カ月経ちますが、まだ気持を開いてくれていません。

そりゃそうだよね。あんなに広々した自由な場所からなんだかわからない狭い所に連れて来られて。

私もここまで人に慣れていない子は初めてで、プレッシャーはとても大きい。

でも逆に、たくさんの初めてを一緒に経験しながら成長していける機会を得たことに感謝しています。

添付4

これからのことをあれこれ憂いすぎ、自信もない私に菊池さんがくださった言葉があります。

「あれほど願っても手の届かなかったあの愛おしい命が自分の手元にいる最高な安心と喜びを感じて下さい。

そしてこれからは楽しまなくちゃいけない。」

ようこそポプラ。

自由を奪ってごめん。でも楽しみは世の中にひとつじゃない。いろんな形がある。

それを共に見つけよう。













犬が決める 2/3

その子は表情にまだあどけなさを残しており、遊び好きで友達が欲しそうな様子でした。

その反面とても慎重で用心深くて、一定の距離以上は近寄らせてくれないところは変わりません。

触れるならリードをつけて「保護」ができます。

でも触れない子はなんらかの方法を使って「捕獲」になる。

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そこは公共の場所で、許可なく生き物を捕獲してはいけないという条例がありました。

いかなる事情においても例外はなく、何度も交渉やお願いをしましたがまるで聞き入れていただけませんでした。

そこに居ついていて、毎日同じ時間に来る。

見ている前でご飯を食べるし、一定の距離までなら寄れる。

なのに手を出してはいけない。

唯一その場所で捕獲ができる愛護センターは1度来てくれましたが、短時間で引き上げ、次回来るのは半月以上先になるとのこと。

その頻度では成功は難しい。

触れるようになるまで1年でも2年でも待つしかないのかなあ。

それまで君は無事でいてくれるのか。

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人の心配をよそに、犬はのんきにご飯を食べて私に遊びをしかけ、小川の水を飲んだり、ザブザブ入って向こう岸にいる犬のところへ遊びの誘いに行ったりして、屋外暮らしを彼なりに楽しんでいました。

猫とならんでお座りしてご飯を待っていたりもしてかわいかったなあ。

姿が見えなくても呼ぶと出てくるようにまでなったし、空気を読まずにちょっとまずい気配を出している犬に近寄って行った時に「やめなさい。おいで!」と呼んだらちゃんと振り返って戻ってきてびっくりしたこともあったっけ。

姿を見せるのは夜~早朝にかけてで、明るい時間には誰も見たことがありません。

相変わらず関心を持ってくれる人はおらず、途方にくれた私はある日KDPの菊池さんに相談してみました。

菊池さんは超多忙な方なので、助けていただこうとは思っていませんでした。

お守りとしてアドバイスの一言ももらえたら本当に心強いなぐらいのつもりでした。

ところが。

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菊池さんとそのパートナーのカヨコさんは、その翌日にはもう現地にいらっしゃいました。その後も何度も。

徐々に関心を持つ人も増え始めましたが、口々に「心配でたまらない」「早く誰か助けてあげてくれたら」と言い合うだけで、手を貸してくれた人はいませんでした。

逆に飼い主と誤解されてノーリードを批難されたり、犬に対する苦情を私に訴えてきたり、協力すると言ってくれたものの初回から待ち合わせをすっぽかされたり、ただの危ない変な人あつかいされたり、そんなことはちょくちょくありました。

孤独で、でもある意味それに慣れてもいたので、遠くから本当に来てくれた菊池さん達が神様に見えました。

いや、正確に言うと、私にとって元々神様みたいな存在だったので、「本物が降りてきた!」という感じ。

犬の保護に於いても捕獲に於いても、とてつもないご経験と知識をお持ちの方です。

2年ほど前にコチ丸を捕獲するまでの5ヶ月間、本当に本当に苦労してやっとわかったことのほぼ全てが、菊池さんのSNSの投稿に書かれてあり、「先に読んでいたかった~!」と叫んだことがあります。

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菊池さんのひとことで名前もつけました。

「ポプラで決まりだな。」

ポプラ並木が美しい場所だから。

ポプラは一説によると、高い高い木のてっぺんの誰にも見えないところにだけひっそり気高く花を咲かせるんだそうです。

お日様と鳥だけが見られる花。

その一方で別名は勇ましく「山鳴らし」、花言葉は勇気。

まだ子犬らしさが残っているのに、ひとりたくましく生き抜く男の子にぴったりな名前。

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その後毎日のようにアドバイスをいただきながら、様々な方法を試みましたが、人間の勝手な都合による制約があまりに多くてなかなか成功に至れません。

その場で地団太を踏みたいほどのくやしい思いを何度もしました。

毎日通ってご飯をあげて、来ない時はずっと待って、一緒に時間を過ごして信頼を少しでも築いて・・・夜中や早朝でもリサーチや準備に出かけて、それ以外の時はとにかくいつも時間に追われて走っていました。

会社はさすがに頭を切り替えて集中しましたが、家でしなきゃいけない仕事は寝てしまわないように立ってしたりしていました。

でも作戦をひとつ失敗したらまた遠ざかって振り出しに戻り・・・

そうしているうちにポプラは明るい時間も出没するようになり、近隣で少しずつ有名になっていきました。

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場所を明記した写真がSNSでシェアされてしまったり、親切心から追いかけてしまう人が出てきたり、大勢でイベントのように集まってライトで照らしまくって追跡したりされ、それによってポプラはまた警戒心が強くなってしまったり・・・

一組お願いしてやめてもらってもまたすぐ次の一組が現れてキリがなくて。

救いだったのは、ポプラはあまり長い期間恐い経験を引きずらず、気持の切り替えができるようであるところでした。

そしてどうしてももうひとりの手が必要だった時期に期間限定でお手伝いに来てくださった方が一人だけいたこと。


それからコチ丸の血縁のこむぎちゃんの飼い主さんがネットで迷子犬探しなどをしてくださったり、大量に消費するポプラ用のおやつや差し入れを送ってくださったこと。

ひとつひとつメッセージをつけて、箱いっぱいに詰め込んで。

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それでも、慎重にひとつひとつ積み上げてきた積み木が崩れるのはあまりにも一瞬であっけなく、そのたびにまた立ち上がって一から始めることは本当になんと言ったらいいか・・・パワーを振り絞るためのパワーをさらに振り絞るようなって言うのかな。

間違いなくバカだと思います。

でも明日はわからないんだもの。

今日元気でいてくれたって明日事故に遭ってしまうかも知れない。

その後悔を背負って生きたくないのです。

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3/3へ続く。











プロフィール

lohamakegu

Author:lohamakegu
ボランティアで犬猫の保護と譲渡をしています。

現在募集中の子:ポプラ

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